ブログアフィリエイターを対象に、中古ドメイン導入がSEOに有効かどうかを解説した記事です。
執筆者の「まさはる」が実際の経験に基づいて内容を検討し執筆掲載しています。
アフィリエイトサイト・ブログを作る際に、大抵の場合は独自のドメインを用意します。
その際に、全く新しいドメインを取得することもあれば、SEO(検索エンジン対策)を考慮して中古のドメインを利用することもあります。
今回は、中古ドメインがSEOに有効なのか、新規ドメインとの違いや注意点について解説していきます。
中古ドメインとはなにか
そもそも中古ドメインとは何か、簡単にご説明します。
ドメインは「https://〇〇〇.com」というアドレス(URL)の赤字部分「〇〇〇.com」を指します。
(.comだけでなくjp、net、bizなど他にもいろいろあります)
そのドメインを
- 全く新規で取得して利用するのが「新規ドメイン」
- 過去に使われていたドメインを再利用するのが「中古ドメイン」
です。
通常は「新規ドメイン」でサイトを立ち上げることが多いです。
「中古ドメイン」を利用する場合の理由はいくつかありますが、代表的なのは以下の2点です。
- 欲しい文字列(商標や社名にまつわるものなど)のドメインが過去に使われていたため
- 過去使われていたドメインの力を新サイトに転用したいため
1はわかりやすいですね。
自分たちのビジネスに関係するドメインを使いたいというのは当然の思いです。
それが新規登録できない場合、中古でも利用することは当然です。
今回は2について解説を進めていきます。
中古ドメインは所有者が変わっても、過去の使われ方からSEOに影響するのです。
中古ドメインはSEO効果がある理由
中古ドメイン、ここでは「ABC.com」としましょう。
ABC.comの利用権を購入して新サイトを立ち上げたとします。
当然ながら、以前の持ち主のABC.comとは全く異なるサイトになります。
ただ、Googleは、「ABC.com」が更新されたと判断はしても、新旧の「ABC.com」が別のサイトとは判断しません。
ドメインは持ち主が変わってもサイトの中身が変わっても評価を積み重ねるのです。
このドメインの評価を「ドメインパワー」などと呼びます。
中古ドメインを使うということは、すでに持っているドメインパワーの上にサイトを立ち上げるということなのです。
中古ドメインの評価は新規ドメインよりも高い場合がある
新規ドメインのドメインパワーは「0」から始まります。
中古ドメインは評価を積み重ねているため、通常は新規ドメインよりもドメインパワーが高いです。
そのため、中身は新規サイトであるにも関わらず、運用歴の長いサイトのような恩恵を受けられることがあります。
スタートラインがプラスになるということですね。
「通常は」と前置きしたのは、マイナスの評価を受けている中古ドメインもあるからです。
そのような中古ドメインをわざわざ使うことは少ないと思いますが、
その場合は新規ドメインと比べてハンデを負った状態から運営が始まります。
Google等の検索エンジンが既に認識している場合がある
新規ドメインで新サイトを立ち上げた経験がある方は分かると思います。
新規サイトでがんばってサイトを更新しても、Googleで検索結果がなかなかヒットしません。
上位表示しないだけではなく、そもそもGoogleにページが認識されないということも起こります。
Googleは新規サイトに冷たいのです。
この新規サイトを排除する制御は「エイジングフィルター」と呼ばれています。
「歴史のあるドメインのサイトは良いサイトだろう」という「ドメインエイジ」という判断基準によるものです。
エイジングフィルターは3ヶ月から半年ほどこ続くと言われています。
その辛い期間に脱落するサイトが多数発生します。
この期間をくぐり抜けたサイトは最低限の品質はあると判断されます。
結果としてGoogle検索の品質が保たれるというわけです。
ゴミのようなサイトを表示させないですむわけですから。
でもこれは新規ドメインの場合です。
中古ドメインの場合、Googleは旧サイトの情報をDBで保管しています。
すでにサイトが認識されている状態ですから、エイジングフィルターを気にする必要がありません。
初めのうちから全力でサイト運営ができるわけです。
被リンクが認識されている場合がある
「ドメインエイジ」という判断基準以外に「被リンク」という判断基準があります。
簡単に整理すると、
- 他のサイトからリンクされている(参照されている)のはいいサイト
- リンク元のサイトが高評価のサイトならリンク先もいいサイト
- たくさんリンクされているのはいいサイト
ということです。
なぜこんな基準があるのかはご理解いただけると思います。
役に立つ記事は、
「共有」「拡散」「保存」
したくなるものです。
そのための手段である「リンク」をGoogleはサイト評価の判断にしているのです。
被リンクとSEOの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
中古ドメインの失敗例
中古ドメインは新規ドメインと比較して有利な面が多いことをご説明しました。
ただ、中古ドメインを利用することがマイナスに働くこともあります。
ある程度事前に確認できるものなので、慎重に進めましょう。
低品質なサイト評価を引き継いでしまった
過去のサイトが低い評価を受けていた場合、新サイトはその評価を引き継ぐことになります。
そのため、中古ドメインを利用する前、できれば購入する前に、
- サイトそのものの品質に問題なかったか
- Googleからペナルティを受けていなかったか
- 質の低い被リンクがついていなかったか
というポイントをチェックしておきましょう。
後で解説しているWayback Machineを使ってドメインの履歴をさかのぼってみてください。
旧サイトがどのような内容のサイトだったかを確認できます。
また、ドメインを取得した後であれば、Google Search Consoleを使えば、被リンクやペナルティの状況を詳細に確認できます。
中古ドメインと知らずに使用してしまった
新規ドメインだと思って取得したら、中古ドメインだったという状況です。
新規ドメインと混じって中古ドメインが販売されていることもあるため、一般的な文字列ベースのドメインだと、こんなことも起こり得ます。
新規ドメインと同じ価格で被リンクが付いている中古ドメインが変えるなら本来はラッキーなのですが、低品質なドメインだったら最悪です。
念の為、取得前にドメインの調査を行いましょう。
調査方法はWayback Machineが手っ取り早いです。それほど時間もかかりません。
中古ドメインの調査方法
中古ドメインの導入を検討する際、調査する方法は目的ごとに様々です。
Webサイトの成果に直結することなので、めんどくさがらずにしっかりやりましょう。
ドメイン名が商標登録されていないかチェックしましょう
SEOの話とは少しずれてしまうのですが、せっかくのドメインが商標侵害になってしまったら大変です。
ドメインを変更するだけで済めばまだしも、訴えられたりしたら大変です。
調査は特許庁のサイトがわかりやすいです。
調べ方をわかりやすく図解してくれているので、おすすめです。
Waybackで過去アーカイブをチェックしましょう
先ほど少し触れた、Wayback Machineです。
Wayback Machineでドメインを打ち込むと、カレンダーが表示されて、クリックするとその時のサイトの状態が表示されます。
どの時点でどんなサイトだったのか確認ができます。
そもそも低品質なサイトではないか、スパム系のサイトではないかの確認が主な目的です。
あわせて、旧サイトと新サイトでジャンルがかぶっていたりすると被リンク等のSEO効果が高いので、その点もチェックしたいところです。
蛇足ですが、Wayback Machineは、
- 誤って消してしまったサイトデータの引き上げ
- 今は消されている他サイトのページの確認
など、困ったときに助けてくれるありがたいサービスです。
ぜひブックマークしておいてください。
被リンクをチェックする
被リンクを調査するなら、まずはMOZです。
中古ドメインのオークションサイトなどでも、MOZのランキングが使われているほどです。
MOZで、得体のしれないリンクをされている、被リンクが多すぎるなど、ドメインに不自然な点がないかを確認しましょう。
ただ、MOZの無料版の利用だと、被リンクは10件までしか表示されません。
こちら以外の被リンクのチェック方法は、下記の記事でも解説しています。
参考にしてみてください。
ブラックリスト化されていないかをチェックする
ドメインの過去の行いが悪いと、Googleのブラックリストに載っている可能性もあります。
- フィッシングサイト
- スパムサイト
- スパムメール
といった、犯罪(もしくはそこではいかないグレーな行為)に関わっていた場合、どんなに頑張っても、そのドメインを使っている限り浮かび上がれません。
正直、そのドメインでサイトを運用するのは意味がありませんので、きっぱりあきらめた方がいいです。
対象のドメインがブラックリストに載っていないかは、aguseで確認しましょう。
※私自身は、ブラックリストに載っているドメインにぶつかったことはないです。
ドメイン名でGoogle検索する
Googleでドメイン名を検索するだけです。
過去の活動(良いこと・悪いこと)がヒットすることがあります。
私も、コンテンツの自動生成系のツールや著作権の面で問題のありそうなアンテナサイトなどで、ドメインを台無しにしたことがあります。
悪気がなかったとしても、ドメインをつかえなくしてしまっていることはあるんですね。
少しでも怪しい情報があれば、それは氷山の一角だととらえて、避けた方が無難です。
中古ドメインの入手方法
中古ドメインは通常のドメイン業者から新規ドメインと同じように入手することができます。
新規に混じって中古ドメインが混じっているイメージですね。
ただ、はじめから中古ドメインに絞ってドメインを探すなら、専用のサービスを使うのが効率的です。
独自の調査が不要というわけではないのですが、専用サービスのドメインリストはかなりのヒントをくれるのでとても楽です。
.jpドメインオークション
中古ドメインをオークション形式で購入できるサイトです。
業界最大手であるGMOの「お名前ドットコム」が運営するサービスなので安心感があります。
「ドメインオーソリティ」「被リンク数」「キーワード」などの基本情報は一目でわかるようになっています。
オークションが早期に終了することはないので、終了日時まではじっくり調査を進められて安心です。
比較的安価なドメイン中心の品ぞろえになっています。
.com.netオークション
「お名前ドットコム」の「.com」「.net」ドメイン版のオークションサービスです。
.jpより少し高めの印象ですが、その分被リンク数などの多い良ドメインが見つかります。
あわせてチェックしましょう。
中古ドメイン販売屋さん
SEO調査の「ラッコキーワード」の姉妹サイトです。
ドメインをまとめて購入すると割引される、残っているドメインは値下げされるなど、ユニークな販売方法をとっているサイトです。
また、返品保証も付いていて、安心感もあります。
アクセス中古ドメイン
専門業者ならではの安心感とお買い得感のあるサイトです。
ドメインリストには参考にする指標がそろっていて、今回紹介しているサービスの中では一番わかりやすいです。
割と高額(SEO効果の高い)なドメインの品ぞろえが多いサイトです。
中古ドメインに関するよくある質問
高価なドメインは、ドメインエイジ(期間)が長かったり被リンクが多くついていたりと、SEOの面で効果のあるものが多いです。
但し、被リンクの質まできちんと確認された上値付けされていないこともあるので、いい意味でも悪い意味でも購入前の調査が重要です。
十分にツールチェックを行なって、良いドメインをゲットしてください。
SEO目的でドメインを変えることは、表向きは推奨されていることではありません。
ただ、Googleも「SEOと関係なしに、ドメインが変わることもあるよね?」という認識のもと、リダイレクトを認めていたりします。
そのため、不自然なくらい短期間にドメインを変更したり、大量のリダイレクト設定がされているのを確認すると、スパム認定する可能性が出てきます。
長期間使う予定のサイトのドメインであれば、ドメイン変更は慎重に行った方がいいです。
中古ドメインとSEOに関するまとめ
中古ドメインとSEO(検索エンジン対策)について整理した上で、
中古ドメインのメリットデメリット、注意点、取得の方法を解説してきました。
私自身はこれまで新規ドメイン推進派でした。
まっとうなサイト、まっとうな記事を積み重ねていけば、サイト・ドメインの評価は勝手に上がるもの。
そんな原理原則で動いているようなところがありました。
ただ、個人サイトが大手のサイトとまともに戦えないジャンルも増えてきていています。
そうなると、中古ドメインだろうが何だろうが、使えるものは使うべきだと考えを改めました。
この記事を書いている最中に、中古ドメインを実際に1つ購入しています。
効果がどれほどのものかはこれからわかることですが、はっきり成果が出たら、記事にしたいと思います。
皆さんも、検索エンジン(Google)経由のアクセスが物足りなく感じたら、中古ドメインへの移行も検討してみてはいかがでしょうか。